交通量調査の怪

既読ボタン
  • 既読 (0)
スポンサードリンク

これは今から5年前のお話です。

当時ぼくは大学4年生。
留年が決まっていて、毎日5年目の学費を稼ぐためにバイトばかりしていました。
メインで1つやっていて、あとは短期でちょこちょこと。
その短期バイトでよくやったのが、交通量調査。
みなさんご存知のとおり、交差点などで椅子に座ってひたすらカウンターを使い、車の数を1日中数える仕事です。
大体朝の6時スタートで、翌朝の同時刻まで。
2~3人交代で回します。

その日はT市で調査でした。
集合場所でその日の調査地点の地図をもらい、パートナーを決められます。
パートナーは1人。ということはあまり大きくない道路。
相手はM君という同い年の男性でした。
お互い軽く自己紹介をして、調査地点に移動しました。

車で30分ほど走り、調査地点に到着。
片側1車線の道路で、普通の田舎の道路って感じでした。
でも・・・調査地点のそばに、看板が立っていたのです。
「事故多発地点。スピード注意!!」というような内容の。
こんなとこでも事故あるんだなあ・・・と思いました。
見通しもいいしなあ・・・スピード出しすぎるのかな??
そんなことを考えましたが、時間がきて調査開始。

始めの2時間はM君と2人で計測しました。
話が合い、タイムテーブルをいじろうという話になりました。
昼は2時間ずつ計って、夜中は寝たいから3時間交代にしようという話になりました。

昼間でもあまり車が通らず、人通りもまばら。
これは楽勝・・・暇すぎて逆に辛いなあと思いました。
でも・・・なんか嫌な感じがしてたんですよ。
1人で計測してると、常に誰かに見られているような気がしてたんです。

時間はどんどん過ぎ、22時から3時間ぼくは仮眠に入りました。
自分の車でシートを倒して仮眠です。
少し離れたところにM君が座って計測してるのが何となく見えます。
そう、あたりは街灯がほとんどなく、真っ暗状態。
気味悪いなあ・・・嫌だなあ。
そう思いながらも、ぼくはうとうとし始めました。

その時・・・。

ミシ、ミシ、ミシ、ミシ・・・

と何かが近づいてくる音がします。
気のせい??

ミシ、ミシ、ミシ、ミシ・・・

いや、気のせいじゃあありません。
その音は明らかに車の後ろからだんだんと迫ってきます。
動物かな、人かな??
そう思った瞬間、ものすごい金縛りに襲われました。

ミシ、ミシ、ミシ、ミシ・・・

その音は身動きのとれないぼくのすぐ耳元で鳴っています。
ぼくはもう恐怖のあまり、目をぎゅっとつぶっていました。

・・・・・

するとその音は止み、不気味なほどあたりは静かになりました。
金縛りも解け、ああよかった・・・と目を開いた瞬間。

見てしまったのです・・・

座っているM君の背中に女の人が絡みついているのを。

後ろ向きで顔は見えないのですが、髪が長く若い感じの女。

M君は全く気付いていない!!

その時、女がゆっくりとこちらに振り返ったんです・・・

その後のことはよく覚えていません。
次に気が付くと、ぼくは車の中で寝ていました。
時間はすでに5時を回っていて、夏場だったので明るくなっていました。
やばい、寝過ごした・・・M君は??
急いで外に出ると、そこには椅子から転げ落ちたM君が。
慌てて起こすと、ただ寝ていただけでした。
ぼくが時間どおりにこなかったことに彼は少し怒っていましたが、彼も12時過ぎから寝てしまい、計測してないとのことでした。

ぼくらは計測していない時間帯を適当に埋め始めました。
ぼくは黙っていましたが、M君の首には手で絞めたような赤い跡がくっきりとついていました。
やっぱり夜中の出来事は夢じゃなかったんだな・・・。

ぼくは見たことを言おうか迷いましたが、結局言いませんでした。
調査は終わり、ぼくらはせっかくだしとアドレスを交換しました。

バイト代をもらい、お互いあいさつをして車に乗り込みました。
M君が先に出発しました。

その時、見てしまったんです・・・

M君の車の助手席に髪の長い女が乗っているのを。

ぼくは固まったまま動けませんでした。
M君の車がどんどん遠ざかっていくのを呆然と見ているだけでした。

M君がその帰り道で単独事故を起こし、重症を負ったのを知ったのは、2週間後の彼のメールでした。

スピードの出しすぎが原因だったそうですが・・・

スポンサードリンク
既読ボタン
  • 既読 (0)

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ