NENS(ネンズ)

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アメリカ留学中に、学校のアジア系の女の子が話してくれた話。
これはその町では結構有名な話だったみたいです。

彼女が転校してくる前にいた学校に、クリスティというアジア系の女の子がいたのだが彼女は小さいツリ目に広がってつぶれた鼻の平坦な顔という典型的なアジア人の容姿をしていたために、顔やジョークにされるほど笑い者にされていた。

彼女は密かにクラス一のハンサムで何でもできるスポーツマンのトーマスに恋をしていたのだがそれに勘づいていた美人プロンド白人娘エレインがトーマスに

「クリスティがアンタに処女をもらって欲しいみたいよ」

と大げさな事を言い、トーマスが

「今日はクソアジア女のケツで我慢するか。いくらくれる?」

と言うのをロッカー室で本人が聞いてしまった。恥ずかしさと憎しみに涙をこらえて
クリスティはとある呪術商品店に向かい、NENS(ネンズ)という名前の祈願商品を買った。彼女は「私が誰からも愛されないのは、この醜い容姿のせい。

成績が良くてもこの容姿じゃ相手にされない。いつももてるのは白人の女の子。私も金髪碧眼の白人の美人になりたい」と呪文のように毎日鏡の前でNENSを使って祈願していた。

すると、クリスティの顔に変化が現われた。鏡には、瞳の色や髪の色がだんだん明るくなり肌の色も明るくなった彼女の姿がぼんやりと写っていた。日ごとに彼女は北欧人女性のような色素の薄い容姿に変わっていく。学校ではあの意地悪なエレインすら、何か言いたげに寄ってきたほどだった。誰もが彼女を見ていた。ある朝、彼女は起きるといつものようにベッド横の大きな鏡の前に立った。しかし、鏡には彼女の姿がなかった。

彼女は進行していた白内障で全ての視力を失っていたのだった。

そう、NENSとは「No Eyes No Sadness」(目が無ければ悲しみも見なくて済む)
の略だったのだ。彼女はその後、NENSを買った店へ向かう途中で、通学中のトーマスが運転する車に跳ねられて即死し、トーマス自身も逃亡し行方不明になったと言われている。エレインは子供の頃から自慢だったブロンドも、ホルモンの関係で茶色になってしまい、以来金髪に染めバサバサの髪になっていると言う。

エレインも脱色する際にブリーチ剤が目に入り、視力を失いかけた、顔に傷を負った
とも言われている。

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