タクシー

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ある晩のこと、一台のタクシーが若い女性客を拾った。
女はか細い声で目的地を告げると、それっきり黙りこんでしまう。
やがてタクシーは目的地である一軒の家の前に到着した。

「つきましたよ」

そう言って振りかえった運転手はあっと驚いた。
女性がいつのまにか車内から忽然と姿を消していたのだ。

運転手は呆然としながらも、ひとまずその家の呼び鈴を押してみた。
いつのまにか車を降りて家に帰ったのかもしれないと思ったのだ。

しばらくして家の中から出て来た初老の女性に事情を話し、さらにその女性の特徴を告げると彼女は驚きながら、それは1年前に川に身を投げて死んだ自分の娘に違いないと言った。

今日はちょうどその命日にあたるのだという。
彼女は娘を家まで送ってきてくれたことに礼を言うと運転手に運賃を渡した。
運転手がタクシーに戻ると、後部座席のシートがぐっしょり濡れていたという。

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