憑依
これは僕が小学6年の時の夏に伊豆に旅行に行ったときに起きた話です(ノンフィクション)。
今でも鮮明に覚えています。
夏、海に旅行に行きました。
朝に家をでて、海で一日遊んでから旅館に一泊泊まることになっていました。
家族で海で遊び、疲れ果てたところで旅館に行きました。
どうも僕らが泊まった旅館は安かったらしく、確かにボロい旅館でした。
海で遊んだため、夕食を食べる前に風呂に入ることにしました。
浴場は小さく、なにやら変な虫まで出てきました。
うわぁ、ボロいし薄気味悪いなぁと感じていたのはみんな同じでした。
そして夕食が部屋に来る前に、疲れ果てていた僕と兄と弟は寝てしまったようです。
起きるとすでに夕食は部屋にあり、みんなで食べることにしました。
夕食を食べている途中、母が「あんたさっき泣いていたの覚えてる?」と聞くのです。
「はぁ?何が?」と聞き返すと、「あんたとわたる(弟・仮名)さっき泣いてたわよ。急にあんたが「寂しいよぉ」って言い続けてたじゃない。わたるもそれに続いて「死にたくない」って何度も言ってたわよ」と言うのです。僕には全く記憶にありません…。もちろん弟もです。
「やめろよ、変なこと言うの…」床言い夕食に集中しました。
そして疲れも残っていたので、寝ることにしました。
寝ていると気分が良くないので起きてしまいました。
ふと時間が気になり、母の腕時計を見に机に向かいました。
すると母がすごい形相で「今…何時?」と明らかに母の声ではない声で聞くのです。
僕は腕時計をみて恐る恐る「3時だよ…」と答えました。丑三つ時だった…。
そして寝ようとしたとき見てはならないものを見てしまった。
黒い影のようなものが母の体から離れていく……。
あぁ見てしまったと思っていたらいつの間にか寝ていた。
次の日特に問題もなく、家に帰りました。
後日、記念写真が出来上がったのをみると、写真にはおびただしい数のオーブと呼ばれるものが写っていたのです。
やはりあそこは何かあったのかと思いました。
現在は何事もなく暮らしています。
あの時の出来事はいったいなんだったのでしょうか………。